第9話 まだ見ぬ故郷
バルレル:ったく、どいつもこいつも辛気くさい顔しやがってよォ・・・
これじゃ、せっかく調子がよくたってハメも外せねェぜ
マグナ:・・・・・・
バルレル:口うるさいコイツですら、文句のひとつも返してこねェし・・・
あーあ、つまんねェ!
マグナ:うるさいなぁ
そんなに退屈だったらルウの家で暮らしてる仲間と遊んでこいよ
バルレル:ケッ!あんな下級の言葉もしゃべれねェ連中と一緒にすんな!
今はこんな姿だがなァ
オレはもともと・・・
マグナ:・・・・・・
バルレル:・・・聞いてねェし
クソッ!
バルレルのヤツ
状況を考えろっての
まったく・・・
第10話 封印の森にて
バルレル:なあ、ニンゲン
気づいてっか?
あのオンナのチカラだんだんと、強まってきてるぜ・・・
結界ぶち壊すなんて尋常じゃねェぞ?
マグナ:わかってるよ・・・
バルレル:どこまでいくのかわかんねェけどよォ
あれじゃ・・・
ニンゲンとは呼べなくなるんじゃねェか?
マグナ:わかってるって言ってるだろ!?
バルレル:ケッ!んだよォ
オレにあたるなよな!
マグナ:・・・ごめん
バルレル:まァ・・・
許してやらァ・・・
マグナ:・・・・・・
バルレル:ケッ!オレもすっかりニンゲンに寛容になっちまったぜ
アーッ、忌々しいッ
先に寝るからなッ!?
どうしたらいいんだ?
どうしたら・・・
第11話 処刑台の騎士
バルレル:あのビーニャとかいうガキといい、その前のガレアノといい
連中の暴れっぷりは悪魔のオレから見ても呆れちまう・・・
無茶苦茶すぎらァ
マグナ:バルレルでもそう思うのか?
バルレル:おい、コラ・・・
「でも」ってのはなんだよッ、「でも」ってのはよォ?
マグナ:だって、悪魔ってのはああいうことを好むもんじゃないのか?
バルレル:まァ、そりゃ否定はしねェがよ
けどな、あんな調子でばかすかニンゲン殺すのは、もったいねェってもんだぜ・・・
マグナ:?
バルレル:低脳なテメエにもわかるように説明するとだなァ・・・
あっさり殺すよりも
とりついて、じわじわいたぶっていくほうが
悪魔にとってはうま味があるんだよ
マグナ:・・・!?
バルレル:その時々にニンゲンが吐き出す、様々な感情を味わいつくすのが醍醐味なのさ
断末魔の苦しみだけを食い散らかすってェのは、下の下なんだよ
マグナ:な、なるほど・・・
なんか、とんでもないことを
力説されちまったような気がするよ
第12話 絶望の先へと
バルレル:ケッ!まさか鬼の野郎が出しゃばってきやがるとはなァ・・・
マグナ:バルレル
なんか、おまえ敵意むき出しってカンジじゃないか?
バルレル:あたりめェだろうが!
ったく・・・
シルターンの鬼神とオレたちサプレスの悪魔ってのはなァ
テメエらの世界を奪い合った宿敵同士なんだよッ!
マグナ:ええっ!?
バルレル:連中がオレたちと同じように、ニンゲンの心につけこんで
その感情を食らうってところからして気にくわねェ・・・
おい、マグナ
間違っても、鬼にとりつかれたりなんかすんじゃねェぞ!
マグナ:バルレル
おまえ・・・?
バルレル:それぐらいなら、先にオレに食われろ!
もったいねェからなッ
マグナ:・・・・・・
変な期待をした俺がバカだった・・・