第14話 確かな思い
バルレル:薄々たァ感じてたがよ
       これではっきりしたな

マグナ:なにがだよ・・・

バルレル:あのオンナがニンゲンじゃねェってことさ

マグナ:なっ!?

バルレル:ザコとはいえ、悪魔がうろついてる森の中で普通の赤ん坊が生きてられっか、あァ?

マグナ:それは・・・

バルレル:それにそう考えりゃ
       アイツの持ってる力の異様さにも説明がつくってもんよ
       悪魔の森で、拾われた聖女か・・・
       ヒヒヒヒヒッ、こりゃ傑作モンだよなァ

マグナ:バルレルっ!!

バルレル:な、なんだよ・・・っ

マグナ:今みたいなことは二度と言うんじゃない

バルレル:あ、あのなァ!?
       オレは別にデタラメを言ってるんじゃ・・・

マグナ:そんなこと関係ない!
     とにかく、もう絶対口にするんじゃない
     ・・・わかったな?

バルレル:ケッ!わかったよ
      黙っといてやらァ
      ったく・・・
      ムキになりやがってよ


それぐらい、俺だって
わかってるんだよ
言わないだけで
みんなだって・・・





第16話 縛鎖を断つもの
マグナ:しかし、お前が心配してくれるとは
     正直、思わなかったよ

バルレル:ケッ、悪かったな!?
       ・・・と、悪態をつくところだがなァ
       オレにはオレの都合もあったんだよな
       実はよ・・・

マグナ:え?

バルレル:食い飽きちまったのさ
       重っ苦しい感情はよ
       今回の騒ぎでどいつもこいつも悩みまくってたからな
       ひとしきり味わってはみたものの、ずっとノーテンキなテメエにくっついてたせいで
       すぐに飽きちまってな
       だからよォ・・・

マグナ:・・・・・・

【打撃音(バシッ!)】

バルレル:うぎゃっ!?


つくづく・・・っ!
こいつは・・・っ!!





第17話 影は歌う
バルレル:ケッ!だから前にも忠告しといてやったろうが・・・
       アイツにゃ、関わるなってな!?

マグナ:うん・・・

バルレル:あのオンナにもよォく言い聞かせておくこったな
       テメエに輪をかけておひとよしだからなァ
       またぞろ、おなじことをやらかしかねねェ

マグナ:なあ・・・
     バルレル?

バルレル:あァ?

マグナ:お前、ひょっとして最初から、あの人がデグレアの手先だって知ってたんじゃ?

バルレル:ば、バカ野郎ッ!?
      テメエ、オレが知っていて黙ってたって言うのかよォッ!!

マグナ:そうは言ってないさ
     けど、お前だけが最初からあの人のこと警戒してたからさ

バルレル:ケッ!言っとくがな
      デグレアの手先なんかにゃ、オレはびびったりしねェぞ!?
      オレがアイツに近づきたくねェのは・・・!

マグナ:ないのは?

バルレル:・・・・・・
      ・・・なんでもねェ

マグナ:お、おい?待てよ!
     バルレル!?


あいつ、どうして途中で黙ったりなんかしたんだ・・・?






第18話 誰がための剣
バルレル:しかし、まあ派手にやりやがったな
       あの糸目オンナ・・・
       悪魔の力で、大地震を引き起こすとはなァ

マグナ:うん、タダ者じゃないとは思ってたけど
     さすが、金の派閥の議長だけはあるよなぁ

バルレル:ん?ちょっと待てよ
       たしか、テメエらが拾った召喚師のチビの母親が、あのオンナなんだろう?
       だったら、なんで親子で違った系統の召喚術を使うんだよ?

マグナ:多分、父親譲りってことじゃないのかなぁ
      詳しいことは聞いたことないけど

バルレル:ヒヒヒ・・・
       なんか、複雑な背景がありそうだなぁ?

マグナ:下手に首を突っこんだりするなよ?
     バルレル

バルレル:ケッ!テメエが言えた義理かァ?

マグナ:そうじゃなくて!
     一歩間違ったら、ほら
     あの、ファミィさんを敵に回すってことになるんだからな?

バルレル:う・・・ッ


さすがのバルレルも
ファミィさんに悪さはできないだろうなぁ