第19話 デグレアの闇
バルレル:ケッ!どいつもこいつも、ニンゲンはバカ揃いだぜ
       自分の上にいるヤツが何者かぐらい、テメエで把握しろってーの!

マグナ:それができないようにしてたのが、あいつら三人の巧妙なところなんじゃないか?

バルレル:オレからすりゃあ
       そんなもんは、負け犬の遠吠えでしかねェよ
       特にバカなのは
       あの黒騎士と、そのオヤジだな
     
マグナ:おい!バルレル
     そこで、そうして鷹翼将軍の名前が出てくるんだよ!?
     あの人は、一人でガレアノたちと戦ってたんじゃないか!?

バルレル:その「一人で」ってところが、バカの極みなんじゃねェか
       相手は、街一つを乗っ取ろうとしてる連中なんだぞ?
       一人で戦って、勝てるはずなんかねェだろうがよ!?

マグナ:それは・・・

バルレル:ケツまくって、自分だけでも逃げときゃあよかったんだよ
       オレなら、そうやって後から倍返しするぜ?

マグナ:・・・・・・

バルレル:勇気と無謀ってのはな
       いつだって、紙一重のもんなんだよ
       今回のテメエの行動もまさにそれよ・・・
       ムキになって、無茶なことしやがって

マグナ:バルレル・・・

バルレル:カッコつけて危険を犯すよりも、みっともなくても絶対に安全な方法をとりやがれ!
       ・・・わかったな?

マグナ:うん・・・
     悪かったよ・・・

バルレル:ケッ!ニンゲンに説教するたァ、オレも相当ヤキが回っちまったもんだぜ・・・


悔しいけど、たしかにバルレルの言ったことは図星かもしれない・・・






第20話 知の略奪者
マグナ:なあ、バルレル
     あの三人が悪魔だってこと、お前はどうして気づかなかったんだ?

バルレル:ケッ、そいつはな
       テメエのせいってもんなんだぜ?

マグナ:え?

バルレル:召喚された悪魔はなァ
       誓約されることでその力を、大きく制限されちまうんだよ
       ニンゲンごときでも命令ができるようにな

マグナ:それじゃ、今のお前は本来の力を抑えられてるっていうのか?

バルレル:まァな・・・
       だが、ヤツらは違うぜ
       誓約なんていう足かせに縛られてねェ・・・
       だから、本来の力を好き放題に使うことができんのさ

マグナ:ちょっと待てよ? 
     誓約されてないってどういうことだ!?
     あの悪魔たちはレイムさんが召喚したんじゃないのか!?

バルレル:ケッ!そいつはテメエで考えなッ!!


それが本当だとしたら
いったい、どういうことなんだ・・・?






第21話 メルギトスの嘲笑
マグナ:バルレル
     お前、もしかして最初に出会った頃から
     あの人がメルギトスだってこと、気づいていたんじゃないのか?

バルレル:まァな・・・
       いまさら気づくとはテメエの鈍さにはつくづく呆れるぜ
       ケッ、それともオレの言い方が悪かったのか

マグナ:・・・・・・

バルレル:で、どうする?
       メルギトスの強さはハンパじゃねェぞ?

マグナ:それでも・・・
     俺は、最後まで戦うよ
     このまま、あいつをほっておけないから

バルレル:バカか、テメエは!?
      勝てねェんだよ!!
      ニンゲンがいくらあがいたところで
      そんなに死にたいのかニンゲン!?


マグナ:死なないし、負けるつもりもないよ?

バルレル:わからねェ・・・
       どうして、テメエは笑ってられるんだ?
       笑いながら、勝ち目のない戦いをするなんて言えるんだよッ!?

マグナ:うん・・・
     人間、だからかな?

バルレル:・・・!!
       オレは・・・
       ゴメンだからな・・・

マグナ:わかってるよ
     バルレル
     お前をはぐれになんかさせないさ
     明日にでもサプレスに帰してやるから
     今まで、ありがとうな

バルレル:マグナ・・・
      ウオォォォ〜〜ッ!!

さびしくなるけど
仕方ないよな・・・?





第22話 真なる罪人
マグナ:バルレル・・・
     お前・・・今、なんて言ったんだ!?

バルレル:そんなに驚くようなことじゃねェだろうが
       ったく・・・
       サプレスに帰るのはやめたって言ったんだよッ!?

マグナ:いいのか・・・
     このままだと、お前もメルギトスと戦うことになるんだぞ?
     勝てる保証なんてまるでないんだぞ!?

バルレル:わかってるぜ
       んなこたァ・・・
       だがな、オレにだってメンツがあるんだ
       このまま帰ってみろ?
       手下の連中たちにナメられちまうぜ!!

マグナ:は、はあ・・・

バルレル:つきあってやらあ!
      こうなりゃ、とことんやってやるッ!!

       感謝しやがれよ・・・
       マグナ!?

マグナ:え・・・?
     お前、今・・・
     俺のこと、名前で!?

バルレル:うだーッ!?
      いちいち、細けェこと気にすんじゃねェ!!
      うれしくねェのか
      どうなんだッ!?
      マグナッ


マグナ:そ、そりゃあ
     うれしいよ・・・
     お前みたいなヤツでも
     俺にとっては初めての護衛獣なんだ・・・
     別れたくなかったに決まってるだろ!?

バルレル:よォし・・・
       いい返事だ・・・

マグナ:お前はどうなんだよ?
     バルレル

バルレル:ケッ!んなこたァ
       どうだっていいだろ?

マグナ:バルレル!

バルレル:・・・・・・
       今まで見たニンゲンの中じゃ、テメエが一番マシなんだよ・・・
       それだけだッ!!

マグナ:そっか・・・
     あはっ、ははは・・・
    (ありがとな・・・
     バルレル・・・)