転ぶのを恐れて、最初から地を這うニンゲンなどいるものか
















迷いなき歩み


客観的に見れば






でもそれは


ただ目隠しをして自棄に進んでいるようなものなんだ






不確かな足取り


主観的に見れば








俺がこの先転ぶだろう事は


何故だろう俺自身が一番よく知っているのはずなのに


それでも地の誘惑に逆らい続ける









このままいっそ地に諸手を差し出してしまえばいいんじゃないか









どうせ先は闇で見えやしないし


遅かれ早かれ俺は








きっと














でも俺がそうしてしまはないのは



二本足で地をけり続けるのは



ニンゲンとしての尊厳を捨て得ないのは









周りのものが見ているから



「見て」いるのだ



闇を裂く指標だとでも言わんばかりに



闇を呼ぶ根源に他ならぬ俺を





たまらない




この危うい足取りに

暗い欲望に

いつ気付かれるか







いっそもう地に這いつくばってしまえば













気がついたらこうなっていたんだ


俺の意思じゃない













俺を殺してしまわないで



死にたくないんだ

地を這ってでも













狂ったように地に縋り付けば



何もかも俺を見捨ててはくれないだろうか










いっそ地さえ見捨ててくれ俺を













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アルス独白