いままでなにひとつもたずにきました


てにしたものはすぐなくなりました














おれをしばるものはなにもありません


とくべつのぞむものもありません


しゅみのひとつすらないのです


べんきょうはしなくてはなりませんが


せわになったひとのめいわくにならないぶんだけやってきました


さいしょからおれがのぞんだものではないからです









いま


すべてをすてろといわれれば



おれにはたやすくできるでしょう



どこへだってゆけます



もっていたいもののなにひとつないおれは



すごくみがるだからです









いまにもあのふうせんみたいに



じめんからあしがふっとはなれて



そらへとんでいきそうな



そんなきぶんです



そらがすごくあおくてきれいだから



ぜんぜんかまいません



ひとりなのもいつものこと







きぶんだけはいつもあのふうせんみたいなものです











それでもこのどこかからっぽなこころに



どうしようもなくからっぽなおれのなかに



あるひとつののぞみがあるんです



だれにもいうことはないけど



このこころのあいたところをうめるだろうもの













だれかただひとり
ずっとおれのそばにいてください


ただひとりでいい
ずっとそばにいさせてください
おれのすべて、あげたっていいから




だれにむかってののぞみなのか


かなうあてもないけれど









でもなにか



ひょっとするともっとずっとむかしから


たしかにある
ただひとつのぞんでいただろうもの









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幼少マグナ独白。